プログラムの特徴 |
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当科の専攻医研修は肺がんを中心とした胸部腫瘍および希少がん、一部の良性の呼吸器疾患の担当医となり、ゲノム診断を含むがん診療における診断や個別化医療の実践のための生検検査を積極的に行うとともに、がん化学療法を中心とした集学的治療から緩和ケアに至るまで、腫瘍内科の専門医(がん薬物療法専門医)レベルでの研修が可能である。また、臨床研究や開発治験にも従事可能であり、研修段階から研究に接することも可能である。さらにインフォームドコンセントやShared decision makingの重要性を学び、コミュニケーション能力の向上を目指す。
将来の内科専門医・呼吸器内科専門医・がん薬物療法専門医の獲得を目指し、内科一般・呼吸器疾患とともに腫瘍学の基礎から専門医レベルの知識を習得し、また緊急時に対応できるように手技の習得を目指し、挿管や中心静脈カテーテルの留置や胸腔ドレーン留置などの処置を習得できる。尚、当科のスタッフ(2023年度5名)は全員が「がん薬物療法専門医」を取得しており、腫瘍内科学・臨床腫瘍学について手厚い指導を受けることができる。 |
専攻医研修の目標 |
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肺がんを中心とした胸部腫瘍の病態を理解し、診断・治療の方策を計画することができる。組織診断および遺伝子変異検索による個別化医療の重要性、殺細胞性抗がん剤、分子標的薬剤および免疫チェックポイント阻害剤の特徴や副作用を理解し、各患者個人の病態に応じた対応が実践できる。多くの症例を経験することでコミュニケーション能力の向上をはかる。 |
診断 |
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1. 胸部X線、胸腹部CT画像の評価、鑑別診断ができる。
2. 生検検査(気管支鏡検査、CTガイド下生検の適応、方法)を理解する。
3. 気管支鏡検査を安全に施行することができる。
4. 肺組織の生検組織からなされる組織学的診断を理解できる。
5. 肺の腫瘍組織のゲノム診療、遺伝子変異検索の方法およびその結果の解釈ができる。
6. 肺がんおよび胸部腫瘍のステージ分類を理解できる。
7. 肺がんだけでなく、良性呼吸器疾患を理解し適応できる。
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治療 |
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8. 肺がんおよび胸部腫瘍のステージ別標準的治療を理解できる。
9. 肺がんの早期ステージにおける術前、術後化学療法の概念を理解し、実践できる。
10. 肺がんの局所進行期における化学放射線療法の概念を理解し、集学的治療を実践できる。
11. 肺がんの進行期における化学療法の適応と至適薬剤を理解し、個別化医療を実践できる。
12. 悪性胸膜中皮腫の化学療法を中心とした集学的治療および胸腺腫、胸腺がんの化学療法を実践できる。
13. 殺細胞性抗がん剤、分子標的薬剤および免疫チェックポイント阻害剤の特性を理解でき、それぞれの治療適応、副作用の特徴と対応方法を理解し実践できる。
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緩和ケア |
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14. がんに伴う疼痛の原因を理解し、それに対応する鎮痛剤を用いてコントロールができる。
15. がんに伴う疼痛以外の症状に対して対処できる。
16. 悪液質の概念を理解し、治療が実践できる。
17. 精神的苦痛、社会的苦痛およびスピリチュアルな苦痛を認識できる。
18. 剖検が必要の場合に家族説明に同席し、遺族への対応を学ぶ。
19. 指導医の指導の下で、インシデントレポートの作成を学ぶ。
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呼吸器腫瘍内科関連施設(呼吸器学会、内科学会での連携)2023年度 |
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静岡県立静岡がんセンター (呼)
松阪市民病院 (内)(呼)
地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪国際がんセンター (呼)
日本私立学校振興・共済事業団東京臨海病院 (呼)
日本医科大学付属病院 (呼)
社会福祉法人恩賜財団済生会大阪府済生会泉尾病院 (内)(呼)
市立奈良病院 (呼)
独立行政法人国立病院機構大阪刀根山医療センター (内)(呼)
社会医療法人有隣会東大阪病院 (内)(呼)
社会医療法人山弘会上山病院 (内)(呼)
JA静岡厚生連静岡厚生病院 (呼)
神戸低侵襲がん医療センター (内)
宝塚市立病院 (内)
兵庫県立尼崎総合医療センター (内)
神戸市立西神戸医療センター (内)
その他にご希望の病院があれば、研修できるように交渉することが可能です。
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